ベジタリアンでうつリスクが上がる?
「食事がメンタルの状態に大きく影響する!」みたいな話はよく聞きますが、中でも盛んな議論が行われているのが、「ベジタリアンってどうなん?」って問題。
特に、「ベジタリアンと鬱」の関係に関しては、賛否両論あって、「ベジタリアンは鬱になりやすい!」「ベジタリアンと鬱は無関係!」みたいな両方向のデータがあるんですよ。
そんなところで新たに出たメタ分析(R)では、「実際のところ、ベジタリアンと鬱に関係はあるのか?」って問題をがっつり調べてくれていて参考になりました。
これは、ベジタリアンと鬱の関係を調べた過去の13件の研究から、49,889人分のデータをまとめたもの(ベジタリアンが8,057人、非ベジタリアンが41,832人)になっております。
つまり、ベジタリアンと普通に肉を食べる人との間で、抑うつのスコアに違いがあるのかを調べたわけですな。
ベジタリアンはうつのスコアが高かった
それで、どんなことがわかったかと言いますと、
- ベジタリアンは、肉を食べる人に比べて抑うつのスコアが有意に高かった(SMD=0.21)
- もっとも、研究間のばらつきが非常に大きかった(I2=71.2%)
って感じだったそう。
研究チーム曰く、
このメタ分析はベジタリアン食とうつの因果関係を示すものではないということを強調しておく必要がある。
すなわち、ベジタリアンが高い抑うつのスコアにつながっているのか、抑うつ症状を抱える人がベジタリアンを選択しているのかはわからない。
ってことで、「ベジタリアンはメンタルに害をもたらすのだ!」って断定するには尚早すぎるとくぎを刺しておられます。
実際、この論文で引用されていた研究(R)によると、「ベジタリアンをスタートする人はメンタルに疾患を抱えている人が多い!」って傾向が確認されているそう。
この引用元の論文によれば、この現象については以下のようなメカニズムが想定されておりました。
- メンタルに問題を抱えると健康的なライフスタイルをより意識するようになった結果、ベジタリアンになる
- メンタルに問題を抱えると動物の痛みに共感的になり、肉を食べなくなる
- メンタルに問題を抱えると健康に対して「不安」を抱えるようになり、ベジタリアンになる
どれも納得はできる説明でありまして、やっぱり「肉を食べないとうつになる!」とは少なくとも現時点では言えないよなーと思いました。
まとめ
そんなわけでまとめると、
- 統計的には、ベジタリアンは肉を食べる人より抑うつ的な気分を抱えている傾向がある
って感じ。まだまだはっきりしないけど、ベジタリアンでメンタルが病む可能性もあるから気を付けようーくらいのイメージでしょうか。
てことで、現時点でベジタリアンを実践中の人、実践しようとしている人はメンタルヘルスのためにも、ビタミンB6、B12とかが不足しないようにきをつけといたほうがいいかもよーってことで。
参考になれば幸いです.質問やコメントなどありましたらTwitterやコメント欄などでご連絡いただけると嬉しいです.
それではっ!