診察や診療をはじめ、医師と患者のコミュニケーションの重要性は言うまでもありません。
もっとも、そのコミュニケーションの形は多種多様で、説明に画像を用いるか、どこまで詳細に説明するか、など、各医師によって異なりますし、同じ医師でも患者さんに応じて変えることも多いでしょう。
てことで、医師や患者の性別という点に絞って、両者間のコミュニケーションスタイルの違いや、それに伴う感情について調べたデータが出ておりましたのでメモ。(R)
男性医師vs男性患者、男性医師vs女性患者、女性医師vs男性患者、女性医師vs女性患者の各組合せにおいて、説明のしかたとか、それに対する感じ方が違ってくるんじゃない?って話ですね。
まず、調査の内容を紹介しておくと、
- 8人の医師と、24人の患者(すべて初診)を対象とし、組合せの数は、上の順でそれぞれ6、5、2、11。
- 医師と患者のコミュニケーションの様子を録画。
- コミュニケーション中の態度、発言等から、医師の説明のスタイルや感情の変化を調査。
みたいになってて、性別の組合せによって、コミュニケーションの方法や感じ方に生じる違いをチェックしたわけですね。
その結果はどうだったかというと、
- 男性医師は、女性医師に比して、患者の性別問わず、よく話し、詳細まで伝える傾向があった。
- 同性同士のほうが、より信頼感を表す傾向があった。
- 一方、異性同士だと、悲しみの感情をより表す傾向があった。
- 男性患者は女性患者に比べて期待感を多く示した。
- 女性患者はより喜びの感情を示し、男性医師相手の時のほうがより大きく喜びの感情を示した。
だったそうで、やっぱり同性に対して感じる信用は、医師患者間にも同様にみられ、異性相手の時は、同性相手の時よりも一般に感情の起伏が大きいようです。
まあ、小規模な研究ですし、ほかにも年齢の差異とか、信仰する宗教の違いとかほかにも変数はいろいろありますから、はっきりとは言えませんが、「性別」は、患者と医師が信頼関係を構築していくうえで、大事なファクターの一つであるということは十分ありうる話でしょう。
とくに精神疾患の患者さんとかの時にはより注意が必要かもしれません。
心理カウンセラーの方は女性が多いような印象ですが、もしかしたら男性の患者さんが相手の時には男性のカウンセラーの方がいい、ということもあるかもしれません。
医師が、患者さんに合わせてその都度性別を変えるなんてことは不可能ですから、例えば男性医師の方が女性の感情、女性脳を日々理解するように努めるとかしていけばもっと信頼関係が深まっていくのかもしれませんね。
参考になれば幸いです。それではまた。
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