運動

食事とか栄養は、運動の前にとるか、後にとるか問題。

まず、大前提として、十分な量の炭水化物だったり、タンパク質の摂取は運動のみならず日常生活を健康的に送るにあたっても重要であると考えられるわけですが、では、運動との関係においてどのタイミングで栄養を摂取すればよいのでしょうか。

栄養素によって、それぞれ異なってくることは当然ですが、総じてどのタイミングがいいのかについて考えてみたいと思います。

一般に調べてみると、「運動の前には十分な量の栄養を摂取しておく必要がある!」とか、「運動前よりも直後に栄養を取るのが効率的!」といった主張がみられますが、そもそも「運動の目的や、栄養を取る目的は何か?」「どんな運動をするか?」によってタイミングも変わるのではないか?と考えるのは自然なことでしょう。(R)

例えば、ダイエット目的なのか、筋肉をつけることが目的なのか、アスリート並みのパフォーマンスを発揮するためなのか、単に健康を維持するためなのかetc.目的は多種多様なはずです。

また、栄養を取る目的として、筋肉をよりつけるためなのか、それとも回復を促すためなのかなどをはっきりさせる必要もあるでしょう。

それに、運動といっても多様で、筋トレやランニングから、球技等のスポーツまで使う体の部分や必要となる要素も違ってきますから、それによっても対応は様々でしょう。

なので、「食事は運動の前にとるべきだ!」とかいう主張はもちろん、「××(ある成分)は運動した後〇時間後にとるべきだ!」とひとまとめしまうのはやや横暴と思うわけです。

では、食事や栄養を運動の前にとるべきか、後にとるべきかについてそれぞれの主張を見ていきましょう。

運動前に栄養は取るべき!という主張

最初に結論を言ってしまうと、一般に、長時間に及ぶ運動だったり、きつい運動の場合には、運動の3,4時間程度前に栄養を摂取することが勧められています。

ある系統的レビュー・メタ分析(R)によれば、食事を運動前にとったほうが、とらなかった方に比べて時間がかかるような有酸素運動のパフォーマンスが向上したそう。

マラソンやトライアスロン、ロードサイクリングの選手を対象にした他の研究でも、運動前に食物繊維や脂肪、タンパク質を摂取しておくことがパフォーマンスの維持において重要であることが示唆されています。(R)

ほかに、筋トレをする際には、タンパク質が超重要であることはおなじみですが、筋トレ前に摂取することが、ある点において勧められていたりします。

タンパク質を筋トレ前と後でとった場合の比較をした研究では、運動前に摂取したグループのほうが、後に摂取したグループよりも回復能力が高まる可能性が示唆されています。(R)

というのも、運動前にタンパク質をとることで、アミノ酸が分泌が多くみられフェニルアラニンの吸収が多くみられたのです。

アミノ酸は筋肉のエネルギー源となるものですね。

もっとも、筋トレとの関係でのプロテインの摂取は、食間や筋トレ直後にとることで筋肉が発達しやすいという研究も多くあったりするので、まだはっきりしない点もありますが、筋肉の回復のため、という点では、運動前にとるのがいいかもしれません。

とはいえ、食事のすぐ直後に運動をするのはお勧めできません。

なぜなら、そもそもエネルギーが体にいきわたるまでに、時間が必要ですし、さらに容易に想像できる通り、直後に運動すれば、吐き気やけいれん等の症状が発生する可能性もあります。

もっとも、運動後に散歩程度の軽い運動であれば、血糖値の急激な変化の抑制の可能性が示されていたりもしますから、健康面の目的から、直後の運動は悪くはないかもしれません。

例えば、昼食直後の軽い運動によって午後の眠気の防止にもつながるという面でもいい感じです。

ってことで、長時間に及ぶ運動とか、きつめの運動におけるパフォーマンスの向上、また、筋トレにおける筋肉の回復のため、という点では、運動の前に食事、栄養を取ることがいいかもしれません。

運動後に栄養は取るべき!という主張

次は、反対に、栄養は運動後にとるべきだという主張についてみてみたいと思います。

断食やプチ断食といったものが流行っていたりしますが、これらも栄養を体に取り入れない状態で運動をしたりすることになりますから、運動後に食事をとるグループに仲間入りすると考えていいでしょう。

そして、正しい方法で行った断食には、血糖値等の健康面だけでなく、運動の面でもポジティブな効果が実際に確認されていたりします。

まず、ある調査では、運動後に炭水化物を摂取することで、筋グリコーゲンをためておくのに有益であることが示唆されています(R)。

筋グリコーゲンってのは、きつい運動をするときの燃料として使われたりするものです。これは合成が遅いんで、体内にためておくことが必要になるんですよね。

炭水化物を運動後にとることによって、筋グリコーゲンの合成が促されるということが調べられたというわけです。

筋グリコーゲンが多くあれば、運動のパフォーマンスを高めたり、回復を促すことができるということになります。

また、他の研究では、運動後に炭水化物を摂取することで、回復力が最大化されることが示唆されています。(R)

さらに、上述したように、筋肉の発達という面では、運動直後のたんぱく質の補給の重要性が多くの研究で示されています。

ということで、筋肉の発達とか、セットの間の回復力の向上という点においては、運動後の栄養摂取が重要といえるかもしれません。

参考になれば幸いです。それではまた。

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