先日(といっても1か月以上前ですが)、中国・深圳市にある「Shenzhen Domestic Waste Classification Science Education Museum」に行ってまいりました。こちらの博物館は2021年8月にオープンした新しめの博物館で、市民の廃棄物管理に対する意識向上を目的として建てられたとのこと。
床面積は約1800平方メートルあって、中国を中心に諸外国のゴミ分類の歴史や世界のゴミ処理技術なんかが展示されてました。日本にも「東京ごみ戦争歴史みらい館」とかありますけど、規模の大きさで言えば圧倒的っすね。博物館に入ると外国どころか狩猟採集時代のごみ処理状況の展示なんかがあって面白かったですね。
ちなみに深圳市の都市管理当局によると、市内には22のゴミ分別科学教育ホールや博物館が建設されているそうで、そのうち9カ所は展示面積が1,500平方メートル以上あるとのこと。市民にとって、ゴミ分類について学ぶ良い機会であると同時に、レクリエーションの場にもなっているらしい。ちなみに、訪問予約はおなじみのスーパーアプリ「WeChat」から可能だそう。行きたいと思う人いるのかわかりませんが。
で、館内は3つのテーマスペースに分かれていて、歴史と現状、海外と国内、技術とコンセプトなど、異なる視点から廃棄物管理について学ぶことができます。特に、深圳に関して印象的だったのは、完全に「村」だった頃の深圳と現在までの変遷を表した展示。廃棄物管理だけでなく、深圳という都市自体の急速な発展を感じることができましたねぇ。
実際、1980年に経済特区に指定されて以降、深圳は急速に経済発展を遂げてきたわけですが、それに伴いごみの組成や量も変化し、管理方式も変わっていったそう。さらに、自動運転や大規模なデータ、AIを用いた先鋭的なごみの回収・管理が行われている点では日本よりはるか先にいるんじゃないでしょうか。ちなみに写真はリアルタイムで各区のごみ排出量、発電量、二酸化炭素排出量なんかが表示されてました。
ごみの回収は主に4種類に分かれていて、種別ごとに回収トラックの色が明確に分かれているらしい。日本の多くの市町村で採用されているような有料のごみ袋が導入したいんだけどみんなちゃんと分けてくれないせいでなかなかうまくいかないそうです。
制御室も覗けちゃったり。一人一人の距離が遠いような。。
また、日本の焼却施設でおなじみのごみピットも見学できました。目視でもわかりますけど、日本と比べるとかなりカラフルっすね。組成を調べてみると、日本では最も多い廃棄物は紙類ですが、中国では食品なんだそうです。どうりで。。
そんなわけで、小中学生の頃に見学に訪れた際には、「ふーん」くらいにしか思わなかったごみ処理施設ですけど、他国でも見学に行ってみると、日本の状況を俯瞰的に捉え、考えることができて結構楽しかったです。今度別の国でも行ってみようかしら。