「自然は健康にいい!」ってのは有名な話.自然との触れ合いはメンタルを改善するし,睡眠の質をアップさせるし,もちろん肉体にもポジティブな影響を与えてくれるってことで,私自身も定期的にがっつり自然に触れる時間を作るようにしています.
で,イーストアングリア大学のレビュー(R)では,「自然との触れあいが健康にいいのはわかるけど,どんな面で,どのくらいメリットがあるの?」みたいな問題をがっつり調べてくれております.
これは自然と健康の関係をまとめたメタ分析で,過去に発表された10,430件の先行研究から質が高めの143件をチェックしてくれております.その概要を簡単に確認しておくと,
- 参加者はトータル2憶9千万人以上
- 各研究の参加者は最小で9人,最大で6,300万人以上
- 20か国以上のデータが含まれた.
- 103件が観察研究で,20件が介入研究
みたいになっています.幅広く,大規模であることがわかります.ちなみに日本の研究が一番多かったみたいです.
その結果,優位に自然との触れ合いとの関係でみられた健康上のメリットを列挙していくと,
- コルチゾール値の低下
- 心拍数の低下
- DBPの低下
- HDLコレステロール値の低下
- 高周波HRV値の向上
- 低周波HRV値の低下
- 2型糖尿病発症リスクの低下
- 総死亡率の低下
- 心血管系の死亡リスクの低下
- 早産リスクの低下
- 主観的な健康度合いの向上
みたいになっております.こう見るとあらゆる面でいいことだらけに見えますな.ほかにも,統計的に優位とは言えないまでもいろんな面でのメリットの可能性も指摘されていました.
自然で健康になるメカニズムははっきりしませんが,このような結果が得られる原因として以下のようなことがあげられています.
- 自然との触れ合いが運動量を増やすからでは?
- 社会的なつながりが増えるから?
- ストレスが減るから?
- 自然中のバクテリアが炎症を抑えてくれるから?
どれもそれなりにありそうな感じがするなーって思いました.なんにせよ,全体的に見て自然との触れ合いは健康を保つうえで大事そうなのは間違いない気がします.
研究チーム曰く,
このシステマティックレビューは,人々が触れ合うことのできる自然環境や街路の緑を増やし,再生し,維持することは,幅広い健康効果をもたらすための多面的なアプローチの一角を形成するかもしれない.
とのこと.
総合すると,おそらく自然との触れ合いは万人にとって心身ともに癒してくれる効果があるだろうと思っております.私ももっと外に出ないとなぁ….
ちなみに,どうしても家から出る時間が取れない人は観葉植物なんかでもそれなりに効果が確認されていたりするんで,検討してみてもいいかもしれません.初心者でも育てやすいものを以下に貼っておきます.
参考になれば幸いです.質問やコメントなどありましたらTwitterなどでご連絡いただけると嬉しいです.
それではっ!
<おすすめ>